著者:大川彰一(留学ソムリエ®代表取締役)
大学生の海外インターンシップの渡航先として、近年シンガポールやベトナム、マレーシアなどアジアの人気が高まっています。今回は海外インターンシップにおける渡航先の比較として、アジアとアメリカの違いについて解説していきたいと思います。
アメリカのインターンシップについては、これまでのコラムにて触れてきましたので、まずはアジアのインターンシップの特徴からみていきましょう。
アジアのインターンシップの魅力とは
大学生の間でアジアのインターンシップの人気が高まってきたのは、2016年くらいからです。特にベトナムでの短期インターンシップの参加者が増加したのです。
参加者が増えた理由はいくつか考えられますが、第一は費用面の安さではないでしょうか。
海外インターンシップの費用は、プログラム費用に加えて滞在費用や生活費、航空運賃などが主となりますが、そのどれもが欧米に比べると安いため、大学生の予算とマッチしたと考えられます。
第二に、英語力のハードルの低さです。残念ながら多くの日本人の英語力は世界と比較すると低いのが現実です。ある教育機関の調査では、英語を母語としない112カ国のうち日本は80位、五段階中4番目となる「低い能力レベル」に位置しています。(EFエデュケーション・ファースト2022年調査より)
ベトナムを中心としたインターンシップのホストカンパニーは日系企業がメインとなるため、英語力が初級でも参加することができることが、日本人のニーズと合っているのです。
第三に課題解決やゼロイチでビジネスを立ち上げるなどの内容の豊富さではないでしょうか。
アメリカなど欧米の実践型のインターンシップに比べて、アジアはチームでプロジェクトに取り組むタイプのプログラムが多いのが特徴です。
グローバル化が進み、オンラインプラットフォームにおいてチームでプロジェクトを進めるように仕事の進め方も変化しており、チームビルディングについて学ぶことができることも魅力の一つです。
さて、アジアのインターンシップの魅力についてみてきましたが、アメリカのインターンシップとの違いについて考察していきたいと思います。
アジアのインターンシップとアメリカのインターンシップの違い
双方を比較した際の違いを以下にまとめていきます。
1.インターンシップ内容
アメリカは以前の記事「アメリカと日本のインターンシップの違いとは」でも書きました通り、オフィスで9時〜17時まで働くイメージの実践型のインターンシップが基本で個人参加のものが多いのが特徴。外資系企業や海外企業で働いてみたい人にはお勧めの内容です。
一方アジアのインターンシップは、研修型のものが多く日本の大学生がグループでインターンシップを行うスタイルです。チームビルディングや初めてインターンシップをする方にも向いています。
2.英語使用頻度
両者の違いは英語使用頻度は顕著に表れてきます。
アメリカの場合は、米系企業と日系企業によって分かれます。米系企業の場合の英語使用頻度は80%〜100%くらい、日系企業の方は0〜60%くらいです。参加する際の英語力によってどちらかに振り分けられることが多くなっています。
アジアのインターンシップの方は0%〜40%くらいの英語使用頻度となっています。理由としては日系企業がメインとなり、社内コミュニケーションは日本語となるからです。
語学を向上させる目的であれば、アメリカの方が話す頻度は高くなります。
3.参加期間
アメリカの方は、最低4週間くらいからとなり、大学生の場合は最長1年間(J-1ビザの場合)まであります。90日間は試用期間という考え方があるため、どちらかと言うとホストカンパニー側としては3か月間くらい最低来てほしいと言う希望があり、日本以外の海外の大学生はそれぐらいの期間で参加する方が多いです。ただし時期については、かなりフレキシブルなことが多いため、自分のタイミングで参加することができます。
アジアのインターンシップは、2週間くらいのものが主流となります。時期も春休み・夏休みの開催がメインで夏休みの参加は特に多い傾向にあります。
なるべく短期間で効率よく経験を積みたいということであればアジア、少しでも長くじっくりとインターンシップをしてみたいということであれば、アメリカが向いています。
4.費用面
費用に関しては、アジアのインターンシップはコストパフォーマンスに優れています。その理由としては前述の通り滞在費用や現地での生活費(主に食費)、航空運賃がアメリカに比べると安くなります。特に航空運賃はエアアジアなどのLCC(ローコストキャリア)がアジアは充実しているため旅行感覚で渡航できるのも魅力です。
一方、アメリカの方は滞在費用や生活費は、滞在する都市によって変わります。一般的にロサンゼルスやサンフランシスコ、ニューヨークの都心部になると相対的に東京より物価は高くなることが多く、他の都市は内陸部や郊外になると費用を抑えることができます。また民間寮などはハイシーズンには費用が上乗せされることもあり、渡航する時期によってかかる費用が変わります。
いかがでしょうか。
同じ海外インターンシップと言っても、アジアとアメリカには大きな違いがあります。タイミングをずらして両方を経験するのも、就活の際のアピールにつながりますのでお勧めです。
ぜひ自分に合ったプログラムを選択して挑戦してみてください。
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