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日本におけるグローバル人材の必要性について今一度考える

2022年12月6日

著者:大川彰一(留学ソムリエ®代表取締役)


オンラインでのグローバル化が進んだ現代

「グローバル人材」とか「グローバル人材育成」という言葉が使われるようになって20年近く経とうとしています。ただ、実際にグローバル人材とは何か?ということに関しては、人によって回答が違うため少し分かりにくいと感じる人も多いのではないでしょうか。

今回はこの「グローバル人材」のビジネス上における意味や必要性について今一度考えてみたいと思います。

結論から申し上げると、私自身は日本の大学生や社会人の皆さんはすでにグローバルな世界に生きていると感じています。

なぜなら現在は誰もが LINE やツイッター、What’sApp などのSNS(social network service) を通して日常的に海外と繋がりを持てるようになりました。日本もオンラインの世界ではすでにグローバルだと言えると思います。

30年ほど前、私が学生の頃は違いました。

初めて海外に渡航したのは、京都の高校に通っていた1年生の夏休みでアメリカのボストンに2週間滞在したのが最初です。

滞在したホームステイ先はアイルランド系アメリカ人でしたが、そこにはロバートという大学生とシングルマザーのお母さん、お祖母さんの3人家族という構成。滞在当初は英語が聞き取れず苦労したのを覚えています。最終日はロバートや家族との別れが辛くて再会を誓ったものでした。

その後彼とは20年近く手紙のやり取りを続けていたのですが、2000年過ぎくらいから Hotmail や Yahooメールなどのフリーメールに移行し、2010年ごろになって Facebook を通してチャットするようになり、急激にコミュニケーションが楽になりました。現在は Zoom や Teams, Slack などのオンラインプラットフォームの進化によりさらに世界との壁がなくなったのは皆さんもご存知の通りです。

手紙でのコミュニケーションからオンラインでアイコンタクトできる時代への変化は、グローバル人材にならなくてもすでにグローバルな生活を送っていると言える状態です。

一方で、オフラインの物理的な繋がりではグローバル化が進んでいないのではというのが私の見立てです。言い換えると、世界標準のコミュニケーションにはまだ到達していないと思います。

それでは、今後どのようにすれば世界に追いつけるのでしょうか。

世界標準のコミュニケーションスキルを身につけるには

それらを打開するポイントは「英語でのコミュニケーション力をつける」「自分の強み(専門性)を徹底的に磨く」という2つのように思います。

具体的に説明する前に、まず国はどのようにグローバル人材について定義付けているかおさらいしてみましょう。

文部科学省によると、

世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、文化、価値を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間(平成23年4月28日 産学連携によるグローバル人材育成推進会議)

とされています。

この定義を全てクリアしようとすると大変だと思います。最初に注力すべき点は前述の定義の中で言う『英語でのコミュニケーション能力』です。グローバルな環境で仕事をしていると、オンラインでもオフラインでも異なる言語でのやり取りが発生します。多くの方が英語でのやり取りを経験することになりますので、コミュニケーションのツールとして英語の習得は殆どの方がある程度必要となります。

実際に必要な英語力とは?

それでは、実際に仕事上必要な英語力とはどれぐらいなのでしょう。会社のグローバル度や職位、仕事内容によって求められるレベルは変わってきます。

社会に出ると英語のスコアがどれだけあれば大丈夫ということではなく、「意思疎通が完全にできるレベル」が求められてきます。TOEICのスコアが860点あったとしても、外資系の企業における会議では相当苦労するでしょうし、700点未満だったからといって就職を諦めるのもお勧めしません。

ただ、英語に関してコンプレックスがある方は、ビジネス英語でディスカッションができるようになったりTOEICのスコアで800点を超えたりすると相当な自信がつくと思います。英語に関してのコンプレックスやストレスがなくなることで、不思議と英語のコミュニケーションが円滑に進むことを私自身も実感したことが多々ありました。

まず「TOEIC700目標を超える」でもいいですし、「英語でプレゼンテーションができるようになる」でもいいので、自分で目標を設定して、集中して英語学習に取り組む機会を若いうちに設けることをお勧めします。

次に自分の強みを磨くためにはどのようにすればよいかみていきましょう。

自分の強みを知る

グローバルな環境で仕事をすると、本当に様々なバックグラウンドを持った人たちが一緒に働いています。その中では英語はコミュニケーションの道具としては活用するのですが、実際に仕事上の評価というものは、ある仕事上の分野でどれだけ突出した実績を出せるかにかかってきます。そういった意味で「自分の強み(専門性)を知る」ことが大切となります。

実はグローバルに活躍できるかどうかは、語学力ではなく、自分の強みによって決まると言っても過言ではありません。その「強み」は、仕事上における会社の業績や成果を上げるための個人の長所というもので、例えば「営業力」「事務の処理能力」「マネージメント力」「交渉力」「プログラミングスキル」などが挙げられます。それらの長所やスキルを磨くことがグローバルに活躍する要素の中で最も大切と言っても過言ではありません。

では、どうやってその強みを発見することができるのでしょうか?まだ学生の方は将来の方向性について迷っている方も多いと思います。まずは、普段の学校生活やクラブ活動、アルバイトの中で自分の好きな事や得意な事を振り返ってみるといいでしょう。ボランティア活動や地域のお祭りに参加したなどの普段とは異なる環境を経験した事がある方は、今までとは異なった自己を発見するチャンスです。

社会人の方は現在の会社が非英語環境でも構いません。日常業務の中で特に成果を上げたことや上司や周囲から評価されたこと、今後さらに伸ばしていきたいスキルなども自分の武器として活用できるかと思います。その伸ばしていきたいスキルを把握することがまずは第一歩となるでしょう。

自分の強みを徹底的に磨くには

自分のスキル(強み)が分かったら、次はその自分の武器を「徹底的に」磨くことです。社会人の方の場合は、同僚や上司、ライバル企業の担当者からその分野で一目置かれる存在になることを目指しましょう。それは一見グローバル化と反対のことの様ですが、実は海外で働く際も日本での仕事の実績が大切となります。

一方、学生の方は専攻の中で最も好きなことを極めていくのも一つです。これから社会に出ていく際には、様々な困難にも遭遇することもあるかと思いますが、自分の好きな分野の仕事だと乗り越えられるものです。

では、どうしても自身の強みが分からない方は、どうすれば良いのでしょうか?

まず一つ目は、「適性テスト」を活用する方法です。就活の際などに企業が実施する適性検査もありますが、中には無料で提供をしているサイトなどもあり参考にすることも可能です。

例えば、オーストラリアの政府系機関 Study Australia では、キャリア・マッチャー(Career Matcher)という簡単な性格診断クイズに答えていくだけで、自分に合った専攻やキャリアをマッチングしてくれるサイト(英語のみ)があります。

2つ目の自分の適性を判断する方法、それは関心のあることに実際にチャレンジすることです。自分の頭の中で考えても判断がつかないことも、実際にやってみると答えが必ずはっきりしますので、是非迷っている方は実際に挑戦してみることをお勧めします。

特に「海外インターンシップ」は、自身の適性を判断する有効な手段となります。特に大学生の方にはそういった意味でも海外インターンシップをまずは経験してみることで世界標準のコミュニケーションの第一歩を踏み出すことができます。


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