アメリカインターン:ニュース

海外インターンシップで必要な英語力とは

2022年8月17日

著者:大川彰一(留学ソムリエ®代表取締役)


海外インターンシップに挑戦してみたいけど、一歩踏み出せない。。
その要因は予算や時間などいくつか考えられますが、その中でも上位に来るのは「英語の壁」ではないでしょうか。

今回は、海外インターンシップに参加するために必要な英語力について考察したいと思います。

一体どれくらいの英語力が必要なのか

日本の一般的な大学生にとって最初の難関は「英語」です。
海外インターンシップに必要な英語力はどれくらいだと思いますか?

その内容にもよって違ってくるのですが、TOEICスコアの目安としては下記のようになります。
*著者の経験に基づく見解となります。

海外インターンシップに必要な英語力の目安

  • 欧米の民間企業での実践型の場合 TOEIC 700点以上
  • アジアなどのビジネス研修型インターンシップ TOEIC 550点以上

どうでしょうか?思ったよりハードルが低いと思った方や、TOEICをまだ受けたことがないので、不安を感じた方など感じ方は様々と思います。

日本の大学生の英語力の平均ですが、(一財)国際ビジネスコミュニケーション協会によると、TOEIC IPテストの大学生平均は501点でした。(参照:TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2021)

この結果で考えた場合、平均的な大学生の場合は、英語力を伸ばしてから海外インターンシップに参加する必要がありそうです。

ただTOEIC IPテストの場合は、リスニングとリーディング中心のテストとなるため、実際にはスコア以上に大切なことがあるのです。

それは、スピーキング力を鍛えることです。

受験勉強を頑張ってきた学生の皆さんは、ある程度TOEICのスコアも取れる人も多いのですが、とにかく海外インターンシップでは、自信を持って英語で話すことが重要です。

例えば、インターンシップの面接の際、面接官に次のように聞かれることがよくあります。

“OK, please tell me about yourself.”
「オーケー、ではあなたのことを聞かせてください」

皆さんがもし今この質問を受けたらどう答えるでしょうか。
例えば、次のように答えたとしたら、面接官はどう感じると思いますか?

“My name is Okawa Shoichi.”
“I’m 18 years old.”
“I’m university student.”
“My hobby is music. I like Arashi.”
“Do you know Arashi?”

奇跡的に日本のミュージックシーンに詳しい面接官だったら別ですが、インターンシップの面接の回答としては少し残念な英語です。

どのような回答が望ましいかは、また機会があれば英語面接対策の回でお話したいと思いますが、要は自信を持って自分の専門性やスキル、モチベーションの高さを相手にアピールすることがポイントとなります。

ですので、たとえTOEICのスコアが900点を超えていても、声が小さくてアイコンタクトもなく、内容も伴っていないと評価は下がります。
一方、スコアが500点だとしても、内容が良くてモチベーションが高いと評価されるのです。

アメリカインターンシップは米系企業、日系企業によって違う

そもそも、今回目安としてTOEICのスコアでご説明してきたのですが、実際のホストカンパニーは、英語のスコア自体は気にしていないというケースが多いです。

ただ、スコアは気にしていないものの、例えばアメリカで米系企業の場合、会議での英語の発言は求められる上、英語での仕事のやりとりが当たり前にあるので、必然的にTOEICでいうところの700点くらいの英語力は必要ということになります。

一方、日系企業の場合は、社内での基本的なやりとりは日本語、会議においては外国人スタッフがいる際は公用語の英語でという感じです。
英語力があれば、対外的なタスクを与えられることもありますし、英語が話せないと社内的なタスクが中心となります。
ただ、海外インターンシップは英語力向上のためというより以前のコラムでもお伝えしました通り、境外での経験のために参加する意味合いが強いので、英語使用頻度に関しては、そこまでこだわらなくて良いと思います。

米系企業の良いところは、ネイティブが多い環境ならではの、スピード感溢れる現場の体験ができるところにあります。異文化理解の観点からも、アメリカのビジネスカルチャーをより感じることができるでしょう。

特に、次の2点は経験してこそ、感じ取れるものがありそうです。

  • 自分の仕事は自分で勝ち取る
  • どんな仕事もできて当たり前という前提

競争社会を感じることのできるアメリカのビジネスの現場が米系企業でのインターンシップの醍醐味です。

一方、日系企業のメリットも負けていません。

日系企業のメリットは、日本企業が現地でどのように経営しているのか、ローカルのマーケットをどのように開拓しているのか、アメリカ人とどのように仕事を進めているのかなどを体感できることにあります。
将来、駐在することになった際にも、この経験が活きることでしょう。

最後に、英語のスピーキング力を鍛えるためにはどのようにすればよいかみていきましょう。

英語のスピーキング力を向上させるには

英会話力を向上させる方法はいくつかありますが、海外留学をまだ経験したことのない人にとっては、語学留学やオンライン留学もお勧めできます。

語学留学の良い点は、海外に慣れることができるという点と、英語環境に身を置くことによって、短期集中型で英語漬けになれる点です。それこそ、英語で夢を見るくらいに英語学習に取り組むことで効率よく学ぶことができます。

またオンライン留学も2020年以降、コロナ禍で格段に進化を遂げました。

オンライン留学のメリットとしては、

・隙間時間を有効活用できる
・渡航型の留学に比べて費用を抑えることができる
・オンデマンドやプラットフォームの活用で予習・復習を効果的にできる
・国や都市・学校・コースを多様な選択肢の中から選ぶことができる
・英語の学習効果も高い

などが挙げられます。

実際の海外インターンシップの面接もオンラインで実施されることを考慮すると、オンライン慣れできるということもメリットの一つと言えるでしょう。

スピーキング力を向上させるためには、とにかく英語のアウトプット量を増やすことがポイントです。

海外インターンシップに参加してから英語力を上げるのではなくて、日本にいる間に英語の勉強の時間を確保することが重要なのです。

英語力の向上に関しては、今自分がいる環境に合わせて、計画を進めていきましょう。


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